HPのZBookシリーズは完全にプロ向けのクリエイターノートパソコンです。前回ご紹介したHP ENVY15もハイアマチュアからプロまで対応したクリエイターノートパソコンなのですが、ZBookはさらに一歩上を行くプロユースのマシンになります。
写真家、動画編集者、VRの開発、音楽制作、3DCGの開発はもちろん、建築やプロダクトデザインといった作業を圧倒的なマシンパワーで効率的にこなすことが可能です。
HP ZBookシリーズならハイエンドGPUが選択可能に
ZBookシリーズにはZBook Create、ZBook Studio、ZBook Fireflyの3つモデルがあります。
前回ご紹介したHP ENVY15はNVIDIA GeForce RTX 2060 with Max-Q design搭載モデルが最上位のグラフィックとなりますが、ZBookシリーズではZBook Createの最も安価なモデルでさえNVIDIA GeForce RTX 2070 with Max-Q Designを搭載しています。
さらに上位のZBook StudioやZBook FireflyではNVIDIA Quadroシリーズのグラフィックスを搭載することが可能で、 プロのクリエイターの要望にも応えることができるノートパソコンになっています。
ポイント
Quadroシリーズは主に3DCADなどの業務用ソフトに最適化されたプロ向けのグラフィックスです。
動画編集クリエイターにはどのグラフィックスがオススメ?
動画編集をする時にはVRAM(グラフィックスのメモリ)が大きい方が作業スピードが速くなりますが、それが同じならQuadroでもGeForceでも大きな違いはありません。
しかしQuadroとGeForceには大きな違いがあります。
それは『カラー表現』です。
GeForceが表現できるカラー数は約1,677万色、それに対してQuadroはなんと約10億6433万色もの色表現が可能なのです。
なので映像制作はもちろん、グラフィックデザインや写真クリエイターでもQuadroを選択する価値は大いにあると言えます。
ただし一般的なディスプレイは1677万色対応なので、Quadroの性能を発揮するには高価なディスプレイが必要になります。
高性能なディスプレイでマルチモニター化して作業をするのであればOpenGLに最適化されているQuadroの性能をフルに発揮することができるでしょう。
ただ、映像制作といってもカラーグレーディングを煮詰めていくようなものでなければ約10億6433万色の表現は不要だったりします。
例えばYoutuberが動画編集のためにどちらを選べば良いか、ということであればどちらを選んでも遜色ない作業環境を得られますし、逆にゲーム実況者やゲーム配信をするのであればゲームに強いGeforceを選んだ方が良いです。
つまりQuadro=高性能というのは間違いで、使用するシーンに合わせたスペック選びが重要になるということですね。
ZBookシリーズの選び方
3種類のHP ZBookシリーズの中から、利用シーンや業種ごとに最適なモデルをご紹介いたします!
【ZBook Create】Youtuber・写真家・イラストレーター・VR制作に
8GBのNVIDIA GeForce RTX 2070 with Max-Q DesignまたはNVIDIA GeForce RTX 2080 SUPER with Max-Q Designを選択可能なZBook Createは、Youtuberやカメラマン・イラストレーター・そしてVR制作をするクリエイターに最適です。
RTX 2070と2080はゲーミンググラフィックスとしても最高峰なので、ゲーム実況や配信をしたいYoutuberにオススメ。
ディスプレイにはフルHDと4KUHD有機ELディスプレイが選択できます。
メモリはモデルによって16GBと32GBの2種類から選択できますが、オンボードで増設ができないタイプなので注意しましょう。
CPUは第10世代のCore i7-10750H(6コア12スレッド)と10850H(6コア12スレッド)に加えて、Core i9-10885H(8コア16スレッド)まで選択可能。
【ZBook Studio】4K/8K映像の制作・3DCG・3DCAD・製品開発に
ZBook StudioはグラフィックスにNVIDIA Quadroシリーズが採用されています。
選択できるグラフィックスは下記の通り。
- NVIDIA Quadro T1000 with Max-Q Design(4GB GDDR6)
- NVIDIA Quadro T2000 with Max-Q Design(4GB GDDR6)
- NVIDIA Quadro RTX 3000 with Max-Q Design(6GB GDDR6)
- NVIDIA Quadro RTX 4000 with Max-Q Design(8GB GDDR6)
- NVIDIA Quadro RTX 5000 with Max-Q Design (16 GB GDDR6)
ISV認定を取得しているので3D CADや製品開発といったプロのクリエイター・デザイナーでも安心して作業に没頭することができます。
CPUやメモリ・ストレージといった構成はZBook Createと同じなので、OpenGLに最適化されたQuadroが必要かどうかで比較検討すると良いですね。
【ZBook Firefly】設計・製造、モバイル性能を重視
ZBook Fireflyには14インチのZBook Firefly14と、15インチのZBook Firefly15の2つのモデルがあります。
ZBook Fireflyはモバイル性能を重視していて、CPUには省電力性能に優れたCore i7 10510UまたはCore i7-10610UまたはCore i7-10810Uが搭載されています。
グラフィックスにはNVIDIA Quadro P520が搭載。
14インチのモバイルノートパソコンですが14インチ 4K UHD 液晶ディスプレイが選択できるというのは良いですね。
そして15インチモデルの方は基本スペックは同じで、テンキーが搭載されているという違いがあります。
また、モバイル重視のZBook FireflyはGPS機能付きのインテル XMM 7360 LTE-Advancedが採用されていますので、SIMカードを用意すればwi-fi環境がない場所でも安全な通信が可能です。
まとめ
今回はHPのプロクリエイター向けノートパソコン『HP ZBookシリーズ』をご紹介いたしました。
Quadroのようなプロユースのハイスペックなグラフィックスを搭載したノートパソコンというのは多くありませんので、業務でバリバリ使えるノートパソコンをお探しの方はぜひHPの公式ページをチェックしてみてくださいね!